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ツール・ド・国東参加レポート(3)雨ニモ風邪ニモ負ケル編

ツール・ド・国東
05 /10 2011
昼食ポイントである粟島神社に着いた頃には、すでに腰の痛みはまともにライディングフォームをつくれないほどにひどくなっていた。

ここで食事をしながら身体を、特に腰を休めることで、少しでも腰の状態を回復しなければならない。
そんなことを考えながら昼食をもらうための列に並ぶ。

ちなみに粟島神社でふるまわれた昼食は、超の字が付く豪華メニュー。

メインの炭水化物はおにぎり。具材はちりめんと梅おにぎり×2個の3個セット。
惣菜としてからあげもあるはずだったが、自分が来たときには残念ながら品切れだった。
さらに汁物として、大分名物のだんご汁。
そして果物はいちごとバナナが食べ放題。(本来は食べ放題ではないが、後発グループの自分たちが到着した時点で、確実に余ると思われるほど残っていた。)
これだけで十分と思われるが、さらにダメ押しでたこ焼きまで用意されていた。

とてもじゃないが、これらを全て食べてしまっては逆に血糖値が急激に上がってしまう。
そこで泣く泣くたこやきをあきらめることにした。
その分、ビタミン補給のためにいちごを多めに頂く。このいちごがまたおいしかった。

雨を避けるために屋根のある場所に陣取り、腰をいたわりながら芝生に座り込み、食事をとる。
(なお、ここのチェックポイントで写真が全くないのは、精神的に写真を撮っているような余裕がなかったのです・・・。)

できればいつまでもここで休んで腰の痛みを回復させたかったが、係員の方が「2時30分にはこのチェックポイントを出て行ってくださーい!」と説明していたので、あまり長くいることはできないと思い、休憩もそこそこに出発の用意を始める。

自転車にまたがってサドルに腰を落としてみると、休憩前よりは腰の状態は楽になっていた。
残り60km、俺の腰よ、なんとか持ちこたえてくれ。
心の中で呼びかけながら昼食ポイントを出発する。

しかしその願いもむなしく、その後10分ほど走っただけで腰の痛みが再発してくる。
しかも、降り続ける雨も全く止む気配が止まない。むしろ昼頃よりも強まってきたようだ。

腰の痛みのせいでまるで体幹に力が入らない。だから当然スピードも出ない。スピードが出ないので通り過ぎる集団のトレインにも乗ることができない。
その結果単独走行を余儀なくされ、さらに体力を奪われるという悪循環。
それでもペダルをこぐことを止めるわけにはいかない。

100kmを過ぎてからは、数分ごとにサイクルコンピュータの走行距離を確認するようになってしまった。
しかしスピードが劇的に落ちているので、思ったほど距離は進んでいない。

情けないほどのスピードでしばらく走っていると、背後に自転車の気配が。ちらっと後ろを見ると、1台の自転車がドラフティングをしていた。
こんなにも遅い自分を風除けにする人がいるとは、逆に申し訳なくなってきた。
まあ困ったときはお互い様だ。特に気にすることもなく、前を引き続ける。というか、別に引いている感覚もないが。

しばらく走っていると、チェックポイントの看板を発見する。
どうやら最後の第5チェックポイントのようだ。
ここで自転車を止めて、また腰を休めることにする。

この時点での走行距離は132kmほど。
事前にネットでコースを調べた際には、Aコースは実質152kmとのことだった。
となると、残りはついにあと20km・・・なのか?
巡航速度20kmで走ってもあと1時間でゴールに着く計算だ。

しばらく休んでいたが、係員が撤収作業を開始していたので、いづらくなってすぐに出発することにした。

ここからは完全に単独走行になる。

腰の痛みは相変わらずだが、計算ではあと1時間辛抱すればゴールに着くはずだ。
そんなことを考えながら、また数分ごとにサイコンの走行距離をチェックして自分を元気づける。

しかしここでアクシデントが発生する。
なんと走行ルートがわからなくなってしまったのだ。

かなり遅い時間になっていたため、まわりに走っている自転車も見当たらない。
コースの看板も見つからない。

自分の走っているこのコースは果たして合っているのか?

もし間違っていたら、今まで自分を励ましていた残りの距離は、逆に走れば走るほどゴールから遠ざかって増えている可能性がある。
そんなことを考えたらぞっとしてきた。

それと同時に寒気も出てきた。このとき、風邪ぎみでありながら雨のなかを濡れ鼠のように走り続けていることで、身体がすっかり冷え切っていることに気付いた。

このまま走り続けて、夜までにゴールに着けるのだろうか。時計を見るとすでに17時を過ぎている。
夜になり、あたりが真っ暗になってしまったらどうするか。

体調も不安だ。こんなずぶ濡れの状態で走り続けて、風邪が悪化してしまっては大変だ。下手したら肺炎になるのではないか。

心のなかで生まれた不安は、考えるほどに加速度的に増幅していく。

とにかく道が合っているのかを確認したい。
急いで近くのパチンコ屋に駆け込み、店員に道を尋ねる。
店員はずぶ濡れになった奇抜な服装の人間を見て少し驚くも、親切に調べてくれた。
しかし店員もゴールとなる杵築市文化体育館は知らないようで、杵築城であれば今の道をまっすぐ行けば着くらしいということだけは教えてもらえた。

これではまだ不安なので、さらにその先のコンビニに飛び込んで、地図を確認する。
どうやら今の道で大きくは間違っていないようだ。次の交差点を右に曲がればあとは道なりらしい。
ここでドリンクを購入し、再び走り始める。

それにしても、いつになったらゴールに着くのかさっぱりわからない。

すでにサイクルコンピュータは150kmにまで達している。
つまり、計算上はゴールのすぐ近くまで来ているはずなのだが、ここはまだ昨年のスタート&ゴール地点である住吉浜リゾートパーク付近だ。杵築市文化体育館まではまだ遠いはずだ。

不安を募らせながら走っていると、遠くにかすかに自転車の姿を見かける。

もう15km以上も自転車の姿を見ていないこともあり、自分にとってその姿は希望の光に見えた。とにかく孤独でいること自体が精神に良くない。道にも迷いたくないし。

喜んではるか先を走る自転車に近づこうと、残された力をペダルに込めて加速する。

そのときだ。
なんでもない段差を乗り越えたとき、突然後輪に衝撃を感じた。
どうやら後輪がパンクしたようだ。

なんてこった。せっかく前方の自転車に追いついて、ゴールへの道を教えてもらおうと思ったのに。

急いでタイヤを修理しようと考えたが、この雨のなかでどうやってパンクを修理するか。
まわりを見まわしてみたが、雨をしのぎながらパンクを修理できそうな場所は全く見つからない。

ここでついに、完全にリタイアする決心がついた。

自分のツール・ド・国東は終わった。

(正確には公式のツール・ド・国東はすでに17:00時点で終了していたのだが、このときは変に自己陶酔していた。)

なんとか自転車を押して飲食店にたどりつくと、タクシー会社の電話番号を教えてもらえないかとお願いした。
するとお店の従業員さんは、お店の電話でタクシーを呼んでくれた。その親切に冷えた身体と心が温まった。

待つこと10分ほどで、タクシーが到着。
後部荷台に自転車を乗せて、タクシーに乗り込む。

運転手さんとの話題は当然のように、ツール・ド・国東のことになった。

「それにしてもパンクとは惜しかったですね。ゴールはもう目の前だったのに」

え?目の前・・・?

「あ、知らなかったんですか?今年からゴールは灘手港になったんですよ。スタートとは場所が違うんですよ」

え?そうだったの?

実際に運転手さんにゴールの灘手港に寄り道してもらったが、そこはパンクした地点からわずか1km程度しか離れていない、歩いても行けるほど近い場所だった。
あとほんの少しでゴールだったとは。

制限時間を大きく越えたため、仮にゴールしても公式には完走とはいえないが、自分のなかではある種の達成感がわきあがってきていた。


<最後に>
今回のリザルトは当然DNFではあるが、最後に目標との比較をしてみる。

パンクした後サイクルコンピュータの計測を停止するのを忘れていたため正確な時間は計測できていないが、だいたいパンクしたのが17:45頃だったことから、今回の走行時間は8時間15分くらいと推定される。

そしてもしパンクせずにゴールした場合、プラス1kmで総走行時間が8時間20分と考えると、当初の目標だった8時間30分以内をクリアーしたことになる。

あの腰痛にくわえて雨というバッドコンディションのなか、目標をほぼ達成できたことには満足できるものの、やっぱりイベントは苦しく走るより、楽しく走りたいものだ。

次回、どこかのサイクルイベントに参加したときは、身体の痛みに苦しむことなくゴールしたい。
東京に帰ってから、さっそく腰痛対策と次回イベントの参加計画を練りはじめている。


ここまで全3回にわたる長文になってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

コメント

非公開コメント

No Title

こんばんは。
3話目を読んで,Matchieさんの苦労が,ひしひしと伝わってきました。
それにしても頑張りましたね。雨の中の走行もきつそうですし,腰の痛みは私も良くわかりますが,たぶん私なら途中の段階でDNFしていたと思いますよ。
とりあえず,無事に帰ってこれて良かったです。
私もいつか走ってみたいですが,人生で一度も九州に行ったことが無い私としては,まだまだ先のことになりそうです。
体調が回復したら,また走り出してください。

No Title

>lumoさん
こんばんは!
今回、無事に宿泊先に帰れたときは本当にホッとしましたね。
今回のライドは楽しさよりも苦しさが上回ってしまいましたが、本来国東はすばらしいイベントですので、もしリベンジする機会があればまたAコースで挑戦したいですね。
lumoさんも一度ツールド国東に参加してみるといいですよ!近くにはハローキティのハーモニーランドもあるので、家族サービスにもなるかもしれません。

Matchie

ロードバイクに乗り始めて数年、40代の坂好きライダーです。
現在、楽して速くなる方法を模索中。

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